ファクトチェック時代の校閲者たち
ファクトチェックという言葉はよく聞くようになりました。
事実を確認するという意味になりますが、これはインターネットが発達してきたために必要になった言葉と言えます。
インターネットではデマや間違いが流通しやすく、その拡散力が非常に高いです。
従来とは異なる新しい真実を示す言葉である「オルタナティブファクト」や「ポスト・トゥルース」といった言葉のように、様々な言説が入り乱れていて混乱してしまいます。
こうした状況のなかでひとつのスキルが注目されています。
それが「校閲」というスキルです。
校閲とは書籍や雑誌の世界でよく活躍されている分野で、原稿を読み込んでそのなかにある事実関係をチェックしたり、文章の論理構成をチェックしたりする仕事です。
事実関係とは文章のなかに出ているデータや日付、歴史的事実など多岐にわたります。
最近は差別表現の確認に関してもかなり繊細に見られているようです。
よく似た言葉に「校正」という作業がありますが、こちらは誤字脱字の指摘や語句の誤用、書体や文字の大きさのチェックなどが主な仕事です。
校正は文章の形式的なところを確認し、校閲は内容にかなり踏み込んだ修正と言えますが、校正者と呼ばれる人は二つの作業を兼任することも多いと言います。
ファクトチェックには欠かせないスキルですから、デマが飛び交う現代だからこそ必要な能力だと言えるでしょう。
不確かな情報に惑わされないためにも必要なスキルです。